日本脱毛技術研究学会

一般社団法人 日本脱毛技術研究学会・電気脱毛

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ブレンド法の優れた安全性と効果



新しい手法(progressive epilation)ブレンド法の優れた安全性と効果


ブレンド法の優れた安全性と効果
熟練した電解施術師は、柔らかい水分の多い皮膚の深くて粗い毛が最も施術困難であることを知っています。それは、施術師が気付く前に高周波熱原型が皮膚表面に上昇してくる性質のためです。
プログレッシブ・エピレーションとは、高周波熱原型がプローブ軸上を上昇してきて、皮膚表面に水泡を作る直前に脱毛する技術をいいます。

以前の脱毛技術はワンハンドテクニック(片手手法)といい、片手でツィーザーとプローブを持つ手法でした。この方法はスピードを出すために、プローブ挿入を雑にし、オートタイマーを持ち、電流を流す時間をセットすると自動的に電流が切れる仕組みになっています。電流が切れるとプローブを抜き、ツィーザーで毛を摘み引っこ抜くという作業を繰り返すものでした。毛の緩み具合のテストなどはしません。
ヒンケル氏とピエール氏は自分たちの作った器械に相応しい技術の開発に取り組んでいました。そして、片手でプローブホルダーを持ち、もう一方の空いた手でツィーザーを持つといった新しい手法を考え出したのです。
プログレッシブ・エピレーションは、ただ規則的な間隔を置いて毛をテストし、凝結した組織が許す限り、毛孔から毛を遠ざけてピンセットでそっと毛を掴み上げるようにすることです。上昇する高周波熱原型が時間に応じて毛根組織を破壊することをみなさんはしっています。
例えば高周波を3秒流した後、毛が引っかかりそしてその周りの皮膚を持ち上げる前に、毛の方が僅かだが持ち上がることを感じ取ることが出来るでしょう。もう3秒経つと、隣接する皮膚を持ち上げる前に、毛はかなり持ち上げられるはずです。
プログレッシブ・エピレーションの方法で施術することによって、施術師は高周波熱原型が毛包底部から上部へと『施術している』と実感することが出来ます。最終的な持ち上げで、施術が危険ラインに達する前に毛包から毛が離れるのです。
この毛を持ち上げることが、プログレッシブ・エピレーションの技術における決定的な要素といえるのです。
ツィーザーは毛を調べるたびに電流の妨げにならないように、空いた手で持つことです。そして持ち上げる毎に、毛を元の深さに戻さなければなりません。何故、戻さなければならないのかというと、毛を持ち上げることによって、引っ張り感が出ます。この引っ張り感を緩めるために戻すのです。もしこれをしなかった場合、毛は根元あたりで「どうしょうもなく」行き詰まってしまい、それ以上毛を取り除くのが難しくなります。また、毛を持ち上げる際に皮膚を持ち上げるほど強く引っ張ってはいけません。顧客に痛みを感じさせることになるからです。技術の腕が上がっても、程よいタッチとデリケートに取り扱うのは施術師の心がけ次第ということです。
毛根の底部が毛包の上部まで持ち上げられたとき、施術師は一種の牽引感を感じますが、顧客はその感覚を感じないでしょう。つまり毛包の上半分で強引に組織を破壊しても、毛包の下半分ほどツィーザーの感じを受けないものらしいのです。これは神経網がanagen(活動期)の毛包の中央近くにあるからです。したがって、プログレッシブ・エピレーション中は、顧客は毛根底部が毛包の下部に一部くっついているかのように感じているのです。
上級の施術師は施術中に顧客に対して、毛を引っ張っていてもツィーザーの感じを与えないものです。
もしあなたが施術しているときに「毛を引っ張っているような感じがしますか?」と尋ねてみてください。顧客が「うん、なんだか引っ張られているみたい」と答えたのであれば、挿入深度か高周波電流強度をチェックして見て下さい。ツィーザーを感じさせることは、毛が毛包の下部から持ち上がるだけの組織凝結が起こっていないことを意味しています。


普通の皮膚で行うプログレッシブ・エピレーション

顧客の皮膚の水分が普通にあり弾力性も普通にあった場合は、脱毛時間の総計の二分の一または四分の三が経過するまで施術師は毛を持ち上げるテストをする必要はありません。
例えば、ある形の毛が12秒で完全に抜けたとすれば、緩み具合のテストを9秒経ってから最初の持ち上げをしてください。毛が抜けないなら元の深さに戻して正規の12秒で脱毛します。いずれの場合でも毛が抜けてから約2秒間の直流を流してください(アフターカウント)。


柔らかい水分の多い皮膚で行うプログレッシブ・エピレーション

柔らかい水分の多い皮膚では、普通の皮膚より毛の「持ち上げ回数」を多くする必要があります。しかし、持ち上げの回数や時間は施術師の判断によって決められます。もし数回持ち上げた後であれば、毛包から毛根が約四分の三出ているものと思って、たとえ毛包内に十分な高周波電流を流していなくても脱毛してしまうことです。
普通の熱解離施術の場合、皮膚は救えても、永久に毛包を破壊していることを確かめることは出来ません。しかし、ブレンドの場合には、毛包に必要なアルカリユニット全量を毛包に施すために、十分なアフターカウントを使えばよいのです。この場合、皮膚表面を傷つけることなく、直流電流は毛包底部で十分な化学分解を起こせるのです。
プログレッシブ・エピレーションは習得しにくい技術ですが、特に水分の多い深い毛に関しては、施術師の技術のうち最も重要なものです。

大事なことは毛を摘みに行くタイミングを知ることにあります。顧客の肌質、顧客の痛みに対する反応、毛の太さ、などによって色々と電流の働きが変わってくることを知ることです。特に皮膚の水分の多い少ないは電流の働きに重要なかかわりを持っています。そして、施術師の技術を大きく左右するのです。


正確な挿入の指針としてのプログレッシブ・エピレーション

プログレッシブ・エピレーションのもう一つの利点は、挿入の不正確さを早めに警告してくれることです。
一定場所の施術は、一定の毛形の脱毛にどれ位時間がかかるかという目安を与えてくれます。例えば、一定場所の毛を施術して6秒間で毛が毛包から半分外に出ているとしたら、6秒で緩まない毛の場合はプローブ挿入が間違ったか、休止段階の毛包から生えているかどちらかだと判断できます。このような状態の場合は、オーバートリートメントの危険があるのですべてを最初からやり直すことです。


コンピューターとは

現時点では、脱毛師の能力を超えた脱毛器は存在しません。脱毛師の持っている知識と経験は、顧客の望みを安全に確実にかなえます。施術師が毎日行っている仕事の成功、不成功のあらゆる情報は脳というコンピューターに記憶されます。顧客の名前、皮膚の特徴、痛みの適正点、毛の特徴、顧客の性格などの情報がすべて脳というコンピューターに集められているのです。
経験豊富な脱毛師は失敗の率が非常に低いのです。しかし、人間は忘れる動物です。だから常に基本を思い出す必要があるのです。初心者のときに難しい基本であっても、中級上級とステップアップしていく中でその難度はそれぞれ違ってきているのです。



『プログレッシブ・エピレーション』
講師 中西正興
資料 日本脱毛技術学院

出典:「ヘアルーツ」

創始者中西正興

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