日本脱毛技術研究学会

一般社団法人 日本脱毛技術研究学会・電気脱毛

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ブレンド法施術技術の考え方と効果



軟毛から硬毛への変化

ブレンド法施術技術の考え方と効果
軟毛は脂腺から成長している。軟毛から硬毛へ変化するのは事実であるから処理目標は脂腺を含めた処理が必要ではないか ? 
(脂腺を含めた毛包上部の処理)

へアーサイクル

活発に成長している段階の毛は成長期にあります。休止期の毛は活動を休んでいる期間です。成長期から休止期の間を退化期と呼んでいます。(毛の再生は毛包から始まり毛乳頭は成長期の毛に栄養を与えるだけで休止期の毛を再生させることはない)毛の再生は毛包から始まるのであるから毛包組織を処理すべきであるという考え方が出てきました。

皮脂腺の処理(稲葉博士の主張)

1979年に日本の稲葉博士とマッキンストリ千恵子医師とアンソニー医師が論文を発表しました。彼等は多汗症の治療法を研究している際、皮膚を切開して汗腺や皮脂腺などを含めた皮膚の層を外科的に切除すると言うもので、その際毛乳頭も一緒に取り除かれる毛も一緒に取り除かれると考えたのですが、毛乳頭を取り去ったにもかかわらず毛は生えてきたのです。そこで彼等は凝固方で実験した結果、毛包の中央部(峡部・イスマス)の切除が必要であると言う結論を得たのです。このことを報告しましたが結論と方法論に疑問があるという主張がありいまだに日の目を見ていないのです。

バルジ(毛隆起・起毛筋の着座)

1990年ペンシルバニア大学のラヴカー博士は(バルジ)が毛の成長に重要な役割を持つと報告しました。その内容は、毛乳頭がバルジ(BULGE)の未発達の毛細胞を刺激するような科学的な信号を送ると原基細胞は一旦刺激されると毛乳頭に向かって移動し、毛包中で上下に成長する毛幹を形成すると言うものです。
この考え方がもし正しいとするならば、バルジを含んだ毛包上部が電気脱毛師の処理目標として考えられることになります。 

毛の中枢は何か?

ヒンケルの考えた「毛の中枢は何か」と云う問題は未だにすっきりとした答えは出ていません。しかし、いずれにしても毛乳頭だけの処理では目的は達せられません。他の多くの部分の処理が必要だということになります。

ブレンド法の効果

毛の中枢はどこか、と云う疑問に確かな答えはありませんが、今まで述べてきた研究者の報告では毛包上部又は中部の破壊が主張されてきましたがその報告では疑問が未だに残っています。ブレンド法の考え方は「毛の中枢」が何処にあろうとも毛包組織の外側の部分を含めた処理を行っています。毛包上部であれ中部であれ総てを含めた処理を行っているのです。毛の中枢が何処にあろうともブレンド法は毛の再生に失敗しないのです。この考え方の重要なポイントは毛包内での毛乳頭は常に移動すると言うことです。我々の施術は目に見えない部分の処理を行っています、毛乳頭の移動位置は目で確かめることが出来ません。ゆえに、毛包全体の処理は成長期であれ退行期であれ休止期であれ関係なく目的を達することが出来るのです。


再生の考え方

再生を生じる二つの要素。不正確な挿入 毛包組織の不十分な処理。この二つの要素は殆どの脱毛師は認めています。しかし、再生毛が施術に失敗した毛なのか、休止期の毛包が活気づき、活動を始めた毛なのかを判別するのは難しいものです。顧客が再生毛ではないかと疑問を投げかけたときに脱毛師はどう答えればよいのか大変難しい問題です。

回答例

「あなたの毛が二度と生えてこないように知識と技術の限りを尽くして施術をしておりますが、残念ながら毛包の中まで正確に知ることが出来ません、私も人間ですから100%正確とは云えません、私もミスをすることがありますが70〜80%の毛が再生してきたら貴女は失望するでしょう」私を信頼してください。

痛みについて

痛みを伴う施術をする職業の人たちは、騙し(偽薬)のテクニックを熟知しています。これは人間の持つ思い込みを逆手に使うテクニックです。騙しのテクニックこれをプラセボ効果と呼んでいます。
顧客の痛みの感覚はこのプラセボ効果によって大きく変化します。施術師はプロです。プロは仕事に自信を持っていなければなりません。その自信が態度に出ます、顧客はその自信に満ちた堂々とした態度に安心感を得るでしょう。決して怖がらせてはいけません。きびきびした動作。施術の過程と効果を確り説明する。これらの施術師の一連の動作により顧客は貴女を信頼するでしょう。
顧客は信頼している貴女のすることや云うことを素直に聞いてくれるでしょう。まず初対面の顧客から信頼を得ることによって「プラセボ効果」の魔術を効果的に発揮させられるのです。(会話、音楽、香り、部屋の壁の色、等)

冷やすテクニック、(クール宅急便等に入ってくる氷の袋、キッチンペーパー等でまいて使う、直接氷を皮膚に当ててはならない)施術前、施術中に氷を使って皮膚の感覚を鈍らせる。

圧を掛ける、プローブ挿入の際プローブの近くを、指で少し強めに押すことによって顧客の感覚が指の方に集中する、その間にプローブを挿入する。また、敏感なところでは皮膚を指でなぜるようにすると痛みの感覚が和らぐ効果がある。またツィーザーの反対側で皮膚を柔らかく刺激することによって痛みの感覚を逸らすことが出来る。勿論これらは総ての人に当てはまることではありません。

直流と高周波の影響

直流電流が単独で働く場合は、電気分解作用により産生された化学物質の働きと電流が神経を刺激して痛みを感じさせます。高周波単独の場合は電波によって作られた熱の作用が神経を刺激して痛みを感じさせます。これら電流が単独に働いた場合はそれぞれ特有の痛みを感じさせるのです。神経の章で勉強しましたように痛みの連続はシナプスを疲労させ痛みを減ずると習いました(強い刺激を受けると脳内に麻薬のような働きをするエンドルフィンが作られる、又は施術前に運動をしてきた顧客は運動していない人に比べて感じる痛みは低いと言う研究発表が知られています)。しかし高周波の高い強度(フラッシュ法)では最初の5分間は痛みを感じませんが、それを超えると神経の痛みを受け入れる限度を超えてしまい、顧客にとっては我慢の出来ない痛みになってしまうのです。
ブレンドの場合は二つの電流が施術の間中継続して流れます。シナプスの働きは電流による継続的な刺激を受けて疲労し皮膚が麻痺したような感覚を作り出します。最初の5分間は痛みを感じますがそれ以後時間が経つに従って感覚が鈍ってきます。そして約45分くらいから又痛みを感じるようになります。このような特徴は施術中に施術師は実感していることでしょう。このような特徴を実技に生かした施術を考えることです。最初の5分間のうちに皮膚の感覚を痛みに耐えさせるように調整することです。まず低い強度で始め徐々に顧客の反応に強度を合わせて強度を上げていくことです。施術においては常に新しい場所を始める場合には強度を低くして始めることです。腋下、脚、唇の上側等右側から初めて左側へ移った場合顧客の痛みがましたのだけど何故かと良く聞かれます、これは右側の強度が高いままで左に移った場合左側の神経の感覚が低いのに高い強度を使われたため顧客はより強い感覚を感じるのです。脱毛師の気遣いが顧客を優しく施術することになるのです。

二つのフットペダルの意味

ブレンドには二つのフットペダルがあります。これはアフターカウントに必要。またそれぞれのペダルによって別々に電流のコントロールが出来る。痛みに関しては、直流を強く感じる顧客の場合は高周波を先行させ、高周波を強く感じる顧客には直流を先行させることによってそれぞれの電流の痛みの感覚を軽減させることが出来るのです。痛みは直流によって感じさせられます。しかし、顧客によっては直流よりも高周波を強く感じる人もいます。しかし、この顧客も時間が経つに従って直流を強く感じるようになるケースが多々あります。
脱毛師はプロであると言うことを認識して、顧客を安全にリラックスして施術を受けてもらうことを常に考えておくことです。知識、技術を顧客の反応に対応する能力が備わり即時に対応できなければならないのです。
神経の特長を生かす
施術の心得は、常に鈍感から敏感へ進める。小さい部分に集中して施術を進めてゆく。これは、飛び飛びに施術をすると鈍感になっていない神経を常に刺激することになり顧客の感じる痛みが常に続くからです。

個人差がある敏感度

神経の授業では中央のラインが一番敏感だと習いますが、実際施術をしていると明らかにそうではないのではと思うことがあります。眉の施術で、眉間の部分より眉尻の部分の方が痛いという顧客も多く居ます。腋下の場合も中央よりも腋の端の方が痛いという顧客も多いのです。中央は神経が重なっているから倍の痛みを感じるのだと定義していますが、個人の特徴として考えてよいのではないかと思っています。




『ブレンド法施術技術の考え方と効果』
資料作成 日本脱毛技術学院

出典:「ヘアルーツ」

創始者中西正興

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